かばん放れば 春の野に ひとりぼっち
イヤホンを着けて 死なない振りをして 乗り込む電車 春の風吹く
真夜中のディズニーランド山眠る
じゃあまた とチャリに跨がり 君が行くポストの角の先の空白
ぬばたまの夜の踏切を 自転車で 世界を破るように駆けてく
唇の降りる一瞬金木犀
深秋の夜景に家族葬の文字
日曜の君のえくぼに日の差して ちゃんとお米の味するごはん
逝く君の顔キリストに似て九月
ハンバーガー 食べつつ思い出している 棺の中の先生の顔
生と死のあわいの瞼鰯雲
鳳梨を齧りつつ待つ夜行バス
アボカドの熟れて崩れて星の恋
話し込む非常階段 夏休み
つやつやと胎児の模型 風薫る
食洗機磨く日焼の腕広げ
口つぐみ一匙崩す夏氷
菜の花の続く踏切出勤日
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